妊娠糖尿病とは、妊娠してから糖尿病を発症した時の病名です。
妊娠する前から糖尿病を発症していた場合は、糖尿病合併妊娠と病名がつきます。

妊娠糖尿病になってしまった。糖質制限しなきゃ・・・
ちょっと待って!!妊娠糖尿病の糖質制限は危険!

妊娠糖尿病で、糖質制限をすると生まれてくる子供に大きな悪影響を及ぼす危険があり、母体にも悪影響が出てきます。
妊娠糖尿病の糖質制限が危険な理由
- 低体重児の危険性
- 妊婦さんと新生児が低血糖になる危険性
- 母体が低栄養性脂肪肝という脂肪肝になる危険性
- 母体が脂質異常症にもなる危険性
妊娠糖尿病の糖質制限が危険な理由、妊娠糖尿病の症状と原因をご説明します。
糖質摂取量を守り栄養バランスのとれた食事、軽い運動を行い楽しい妊娠ライフを送りましょう♪
妊娠糖尿病の糖質制限は危険!!低体重児など5つの危険性

妊娠糖尿病で糖質制限をすると母体、胎児、将来の子供にも悪影響が出て危険です。
胎児が成長するには糖質が必要で、母体が摂取する糖質の量を減らしすぎると胎児の成長を妨げます。
- 低体重児の危険性
- 将来の子供が肥満化する危険性
- 低栄養性脂肪肝という肝臓が脂肪肝になる危険性。
- 物足りなさからタンパク質摂取が増えてしまい、脂質異常症になる危険性。
- 低血糖になる危険性。
【胎児・子供】妊娠糖尿病!!糖質制限の危険と悪影響は?
母体と胎児は胎盤で繋がっているので、胎児や子供に悪影響を与えてしまいます。

どうしよう!?赤ちゃんにも影響あるの?
糖質制限じゃなくバランスの取れた食事を心がけて!!

妊娠糖尿病で糖質制限をする事の危険性からご説明します。
糖質制限をすると体内でケトン体が作られ、ケトン体は脳や筋肉のエネルギー源になりますが、増えすぎてしまうと体調を崩す危険があります。

そもそもケトン体って何?
- ケトン体とは?
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- 栄養が足りなくなったときや、運動をしたときのエネルギー源として使われる
- 液に乗って脳や筋肉へと移動し、エネルギーの素となるブドウ糖になり体を動かしている
- 血中のケトン体の基準値は125~130μmol(マイクロモル)以下
- ケトン体が増えすぎてしまうとアルカリ性だった血液が酸性になってしまい意識障害を起こしてしまう
妊娠糖尿病で糖質制限した場合、糖質は胎児の成長に欠かせないため糖質が不足すると低体重児になり流産や早産の危険性があります。
妊娠糖尿病で糖質制限を行い胎児に必要な糖質が流れなかった場合、胎児の体脂肪量が多くなってしまい誕生してから肥満になる危険性があります。
母体は、出産を終えたら妊娠糖尿病もおさまりますが胎児は、将来まで続く副作用があるので気を付けて下さい。
妊娠糖尿病でも胎児の巨大化の症状がありますが、糖質制限を行うことで生まれた後の子供にも影響を及ぼす危険性があります。
【母体】妊娠糖尿病!!糖質制限の危険と悪影響は?
妊娠糖尿病は胎児、新生児だけじゃなく母体にも影響があります。
大事な【命】をお腹の中で育てているため過敏になってしまいますが、胎児と同じように母体も守ってあげてください。
- 妊娠糖尿病の妊婦さんが糖質制限をしすぎた時に低栄養性脂肪肝という肝臓が脂肪肝になる危険性。
- 妊娠糖尿病の妊婦さんが糖質制限をする事で物足りなさからタンパク質摂取が増えてしまい、脂質異常症になる危険性。
- 妊娠糖尿病の妊婦さんが糖質制限をすると低血糖になる危険性。
糖質制限をしていると栄養バランスが崩れ、肝臓が機能障害を起こさないよう体内の脂肪を集め、低栄養性脂肪肝になります。
必要な脂質、タンパク質、糖質の栄養をバランスよく食べるようにして下さい。

白米が糖質だから白米を減らして、お肉や魚の量を増やそう。
脂質異常症になる可能性があるから気を付けて。

妊娠糖尿病の妊婦さんが糖質制限をすると、糖質の代わりにタンパク質を取りすぎてしまい脂質異常症になる可能性が高くなります。
妊娠糖尿病の妊婦さんも糖尿病合併妊娠の妊婦さんも一般的な糖尿病の患者さんも、糖質制限をしすぎると低血糖になってしまう危険性があります。
脳や筋肉を動かすのに糖質は必要、異常な糖質制限は低血糖になり最悪の場合【命】を落とす事もあります。
私は低血糖になりやすく、ひどい時は仕事帰りにどうやって自宅へ戻ったかわからない事がありました。
自宅の駐車場へ車を停めて車から10分近く降りて来ないのを心配した主人が、駐車場まで迎えに来てくれた事もありました。
その時、私は運転席に座っていたそうなのですが、主人に声をかけられるまで気づいていませんでした。
すぐかかりつけの病院へ行き診断された病名が肝臓の機能悪化による【意識損失発作】でした。
低血糖が原因でしばらく運転することも一人で出かけることも出来なくなりました。
私は、糖質制限をしていませんし妊娠糖尿病でもありません。
意識や記憶のない時間は、とても恐ろしく低血糖が怖く感じました。
妊娠糖尿病の妊婦さんは、お腹の赤ちゃんの為にも糖質制限をする事は危険なのでやめて下さいね。
糖質制限はやめて、カロリー制限をしよう
妊娠糖尿病の糖質制限はとても危険なので、食べる物・食べ方・食べる順番に気を付けて楽しい食事をしましょう。
- 【主食+主菜+副菜】をバランスよく摂取する
- 1日3食、時間を決めて食事をする
- 食事の間隔が狭すぎると高血糖値が続くので注意する
- 血糖値の上昇を緩やかにする食物繊維を取り入れる
- 早食いも血糖値を上昇させてしまうので注意

妊娠したら甘い物が食べたくなっちゃう
私も妊娠した時、いつもは高くて食べれないちょっと高級なメロンを主人にせがんでました。

お腹の赤ちゃんがメロン食べたいって言ってる!!
お腹の胎児がそんな事言うなんて!!そんな訳ありません。
甘い物を食べたいのに、まったく食べれないのはストレスのもとですよね。
頑張ってるお母さんにたまにはご褒美が欲しいですよね。
だから甘い物を食べたい時は、1日のカロリーを計算して甘い食べ物の分だけカロリーを控えたらいいのです。
食事の間隔が空きすぎてしまうと血糖値が上昇しやすいので1日3食、時間を決めて食事するのが好ましいです。
食物繊維は、血糖値の上昇を緩やかにしてくれるので、野菜やきのこ等を食べたあとに甘い果物を食べるといいですよ。

早食いも血糖値を上昇させてしまうので、ゆっくりとよく噛んで食べてみて下さい。
よく噛むことで、満腹中枢の刺激もあり食べすぎの予防や満足感も得られますよ。
妊娠糖尿病の症状は8つ!一般的糖尿病との違いも解説

妊娠糖尿病になる事で、お腹の中の赤ちゃんにもお母さんである妊婦さんにもたくさんの症状が出てしまいます。
糖尿病も大変な病気ですが、妊娠糖尿病は自分だけじゃなく胎児や新生児にも影響が出るので、妊婦さんは心配だし不安だと思います。
妊娠糖尿病と糖尿病の違いを知り、糖質制限をせずに治療して下さい。
妊娠糖尿病の症状とは・・・
妊婦検診で、妊娠糖尿病と診断されたら妊婦さん特有の症状があるので気を付けて下さい。
- 妊娠高血圧症候群になる危険性
- 流産・早産・羊水過多の危険性
- 膀胱炎から腎盂腎炎などの感染症の危険性
- 血管障害と網膜症になる危険性
- ショック症状を起こす危険性
- 胎児が肥大化する危険性
- 胎児が先天奇形になる危険性
- 新生児が低血糖になる危険性

一般的な糖尿病と違うの?
妊娠糖尿病は妊婦さん独特の症状がありますよ!

症状1 妊娠高血圧症候群になりやすい
妊娠糖尿病の妊婦さんは血圧が高くなると脳出血や肝機能障害を引き起こす可能性があり最悪の場合、命まで危険になってしまいます。
妊娠糖尿病の妊婦さんの胎盤が子宮から剝がれる恐れがあり、赤ちゃんへ酸素が届かず最悪な場合赤ちゃんの命まで危険になってしまいます。
症状2 流産・早産・羊水過多の可能性
妊娠糖尿病の妊婦さんは、羊水過多になることで流産と早産の恐れが出てきます。
羊水過多になることで呼吸困難になったり、おなかが張ったり、圧迫感を感じたり、むくんでしまいます。
症状3 膀胱炎から腎盂腎炎などの感染症の可能性
妊婦さんになるとお腹が大きくなるにつれて子宮を圧迫して尿が出にくくなり、尿に細菌が感染してしまい膀胱炎になってしまう可能性がでてきます。
妊娠糖尿病で無くても妊婦さんは膀胱炎から腎盂腎炎になってしまい、子宮収縮し流産や早産の恐れがあります。
症状4 血管障害と網膜症
一般的な糖尿病と同じで、妊娠糖尿病は血糖が高くなると血液障害を起こしてしまいます。
妊娠糖尿病の妊婦さんは網膜症になる可能性は低いと言われていますが、糖尿病合併妊娠の妊婦さんは網膜症が急激に悪化する可能性が高いです。
症状5 ショック症状
脱水になりやすく意識障害や昏睡になる可能性が高いです。
症状6 胎児が肥大化する可能性
妊娠糖尿病を発症された妊婦さんのお腹の中の赤ちゃんが肥大化してしまい、難産になる可能性があります。
母体の胎盤を通じて胎児へブドウ糖がいき、胎児も成長ホルモンであるインスリンを出します。
成長ホルモンであるインスリンが多く分泌されてしまうと胎児が巨大化してしまう可能性がでてきます。
症状7 胎児が先天奇形になる可能性
妊娠中に血糖コントロールがうまくいかない場合、胎児が先天奇形になる危険性があります。
血糖コントロールが悪ければ悪いほど奇形が出ると言われています。
症状8 新生児が低血糖になる可能性
妊娠糖尿病を発症したら、お腹の中の胎児にも多量のブドウ糖が流れていきます。
そのブドウ糖を分解しようと胎児自身もインスリンを出します。
出産後、母体からのブドウ糖は新生児に届かなくなりますが、新生児自身のインスリンは急に量をおさえる事が出来ません。
出産した後、新生児はインスリンの量をおさえられず多量のインスリンの働きにより、低血糖になってしまいます。
新生児低血糖症
- 元気がなく、母乳やミルクを飲まなくなってしまう(哺乳障害)
- 意識レベルが低くなってしまう(傾眠傾向)
- 痙攣し無呼吸になってしまう(筋緊張低下)
- 顔色が悪く青白い顔をしている(無欲様顔貌)
- 多汗になり呼吸が荒くなる(多呼吸)
脂質、タンパク質、糖質をバランスよく食べるように心がけて下さい。
インスリン注射で血糖値を安定
バランスよく食事し、どうしても血糖値が上昇してしまう時は糖質制限をするのではなくインスリン注射で血糖を安定させる治療もあります。

インスリン注射ってお腹に針を刺すの?赤ちゃんに刺したらどうしよう
心配しなくて大丈夫。インスリン注射についてお話しますね!!

通常、インスリン注射は【お腹】【太もも】【おしり】に打つのですが、お腹に赤ちゃんが居たらお腹に打つのは抵抗がありますよね。
通常の採血などで使われる針は22ゲージ~21ゲージ(針外径0.7~0.8mm)長め(33mm)です。
採血の時の針と比べてインスリン注射の針は26ゲージで細く(針外径0.18~0.25mm)短い(4mm)ので赤ちゃんに刺さってしまう恐れはありません。
どうしてもお腹が心配な場合は、太ももでもおしりでもインスリンの効き目はかわりません。
おしりもお腹と同じですが、自分でインスリン注射を刺すことが出来ないので人に頼むしかありません。
妊娠糖尿病の場合は出産をしたら血糖が安定し、インスリン注射の治療が終わるので出産するまで胎児の為に頑張って下さいね。
一般的な糖尿病は1型・2型の2通り
妊娠糖尿病は、上記のとおりですが妊娠してない糖尿病はどのような症状があるのか説明させてください。
糖尿病には1型と2型と2通りあり、同じ糖尿病でも原因や治療法は異なります。
1型糖尿病は自己免疫によって膵臓から分泌されるインスリンが分泌されなくなる病気です。
1型糖尿病の特徴
- 発症年齢が若く、子供にもみられます。
- 肥満は関係なく痩せていてもなります。
- 日本人は糖尿病患者全体の数%が1型糖尿病といわれています。
- インスリン療法を行います。
2型糖尿病の特徴
日本人に1番多いといわれる2型糖尿病は、膵臓から分泌されるインスリンが少なくなるかインスリンに体が反応しなくなったからです。
遺伝的に糖尿病になりやすい体質だったり、生活習慣病だったりします。
- 糖尿病の発症年齢は30歳以上が多いです。
- 肥満と関係ありますが痩せていても糖尿病になる可能性はあります。
- 糖尿病患者の90%以上が2型糖尿病といわれています。
- 治療は食事療法(糖質制限、塩分制限など)、運動療法、薬物療法があり、その人によって処方されます。
妊娠糖尿病の原因は妊娠による血糖値上昇

妊娠糖尿病とは、妊娠してから糖尿病を発症してしまう病気です。
妊娠する事が原因だと思わないし、思いたくないでしょう。
妊娠糖尿病の原因は、妊娠して胎盤からインスリンの働きを邪魔してしまうホルモンが分泌されるため、血糖値が高くなるからです。
妊娠糖尿病の原因である血糖値上昇は初期では自覚症状が無く、早期発見されにくく妊婦検診で経口ブドウ糖負荷試験を受けます。
- 空腹時血糖値 92mg/dL以上
- 1時間後 180mg/dL以上
- 2時間後 153mg/dL以上
参考 妊娠糖尿病の原因
妊娠糖尿病の初期は自覚症状がありませんが進行してくると喉が渇き、汗がたくさんでます。
妊娠糖尿病が進行する前に気づき進行させないよう気を付けて下さい。
妊娠糖尿病は、出産とともに治まる場合が多いが妊娠するたびに妊娠糖尿病になる可能性もあり将来2型糖尿病になりやすくなります。
出産を終えても糖質の取りすぎは糖尿病の原因になるため、必要な栄養をバランスよく摂取してください。
まとめ
- 妊娠糖尿病は、糖質制限をすると低体重児や母体が低栄養性脂肪肝や脂質異常症になる危険性がある。
- 妊娠糖尿病は、糖質制限をすると母子ともに低血糖になる危険性がある。
- 糖尿病と妊娠糖尿病の違いを知り、適切な治療を行う。
- 妊娠糖尿病で適切な食事をしていても血糖値があがる場合はインスリン注射で血糖値を保つ。
- 妊娠中は糖質制限よりカロリー制限を心がけ、主食、主菜、副菜のバランスに気を付けた食事をする。
- 妊娠糖尿病の原因は、妊娠後のホルモン分泌によって血糖値が高くなるため。
妊娠糖尿病は、自分だけではなく胎児や新生児にも影響を及ぼすので無理な糖質制限を行わず、栄養バランスのとれた食事をするようにしてください。
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