仏壇処分する機会は一生のうちにそうあるものではありません。
だからこそ、どうしたらいいのか悩むものです。

仏壇処分の時は絶対に魂抜きが必要なの?
仏壇処分のときに魂抜きしないとどうなるのでしょう?
仏壇処分時に魂抜きしない場合、法的に罰則などが発生することはなく、問題はありません。
宗教的な意味合いが大きいので、自分が信じるか信じないかです。
宗教によっても違いはありますが、仏壇を購入した時には住職によって魂入れが行われます。
魂の宿った仏壇を色々な理由で処分する時は、魂抜きを行うのが一般的なのです。
仏壇処分はどのような手順で行うのか、費用はどの位かかるのかなどを解説していきます!
魂抜きしないのか、するのか、検討する材料にしてみてくださいね。
仏壇処分を魂抜きしないで行う方法3つと費用を紹介!

仏壇処分をする場合、一般的には魂抜きという儀式が行われます。

魂抜きしないと何が起きるの?
仏壇の魂抜きしないことで何か特別なことが起きるわけではありませんし、法的な罰則があるわけでもありません。
自分自身が魂が宿っていると信じるか信じないかで判断したら良いのではないでしょうか。
まずは魂抜きしないで仏壇処分をする方法を3つ紹介します。
魂抜きしないで仏壇処分するには
【方法1】仏壇・仏具店に処分をお願いする
仏壇処分は魂抜きしない場合、仏壇・仏具店に依頼することができます。
仏具店にお願いすると仏壇の供養から仏壇処分まで一括して行ってくれるので、自宅で魂抜きをしなくても大丈夫です。
処分の費用は仏具店によって様々ですが、1~3万円が相場です。
参考 メモリアル仏壇
遠方の親族の片付けが必要となった場合など、お寺との付き合いがない時には相談に乗ってもらいやすいでしょう。
仏壇や仏具を販売しているプロなので、仏壇処分以外にも色々な相談に乗ってくれますよ。
また仏壇を買い換えるときには、購入するお店にお願いすれば割引などが受けられる場合もあります。
【方法2】仏壇専門の処分業者に依頼する
どこに仏壇処分を頼んだらいいか分からない時や、跡継ぎのない仏壇を処分しなければならない場合、専門業者に依頼する手もあります。
昔ほどお寺との繋がりがない現代では、宗派が分からないことや、相談できるお寺が分からないことも増えています。
仏壇の回収から供養や処分まで一括で引き受けてもらえるので、自宅で魂抜きしなくても大丈夫です。
仏壇処分の専門業者へは電話やインターネットで見積もりを依頼することができます。
普段行き慣れていない仏具店は、入るのにも勇気がいりますが、ネットや電話ならハードルが低く感じますね。
仏壇の大きさによって費用は変わってきますが、1万~3万円が相場です。
魂抜きしない場合の処分の費用のみですが、希望すれば魂抜きをしてもらえる業者もあります。
非常に高い費用を請求してくる悪徳業者もいるので、何社か見積もりを依頼して、いくつか比較してみることをお勧めします。
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参考 株式会社 鎌倉新書
【方法3】自分でごみとして処分する
まったくこだわりが無い場合、魂抜きしないでゴミとして仏壇処分することもできます。
自治体によって違いますが、そのまま粗大ゴミとして処分できる場合と、仏壇は受け付けてもらえない場合があります。
仏壇を受け付けてもらえない自治体ではお寺や専門業者にお願いするしかありません。
仏壇をそのまま粗大ごみとして受け付けてもらえない場合、自分で解体して分別することでごみとして処分できます。
ごみとして処分するのが1番安く済む方法ですが、あまりお勧めはしません。
できれば最終手段として考えてください。
我が家では母の実家の跡継ぎがおらず、叔父と母が居なくなってしまったら、私が仏壇処分をしなければなりません。
何度もお線香をあげている仏様のことを考えると、「ごみ」として処分する気には到底なれません。
いつか仏壇を管理できず、止む無く処分をすることになったときは、きちんと魂抜きをしたいと思います。
仏壇処分で魂抜きする理由は魂入れをしているから

最近では引っ越しや家人が亡くなられて仏壇処分をしなければならない場面が増えてきています。
一生に1度あるかないかのことなので、どうしたらいいのか迷いますよね。
そもそも「魂抜き」とは仏教の考え方で、魂の入ったものから魂を抜くという行為のことです。
仏壇処分時にはなぜ魂抜きをしたほうが良いのか、魂抜きが必要ない宗派についても解説します。
仏壇の魂抜きには仏教の考え方が反映している
仏教の多くの宗派では「魂を入れる」「魂を抜く」という考え方があります。
お墓参りをしたり仏壇に手を合わせたりすることは、故人の魂が宿っているという考え方からきています。

どうやって仏壇に魂が宿るの?
宗教によっても違いはありますが、仏壇を購入したときには菩提寺や自分の宗派の住職によって「魂入れ」が行われます。
「魂入れ」を行うことでただの箱である仏壇に魂が宿り、手を合わせて拝む対象となります。
お茶やお水、お花をお供えしてお経を読む、線香をあげて拝むなど日本の家庭では普通に見る光景です。
仏壇を購入した場合には必ず魂入れを行いますので、仏壇には魂が宿っていると考えます。
魂の宿る仏壇を処分する場合に魂抜きをするのは仏教では当然の流れといえるでしょう。
魂抜きをすることで、手を合わせて拝む対象から、ただの箱に戻ります。
仏壇処分をする時には、魂抜きをすることで購入したときと同じただの木の箱に戻すのです。
宗教は心のよりどころであるので、仏壇に魂が宿っていると信じるか信じないかは気持ちの問題です。
故人に対する思い入れで大きく違うと思いますが、私は仏壇処分する時には魂抜きすることをお勧めします。
浄土真宗では仏壇の魂抜きは必要ない
仏教には色々な宗派がありますが、浄土真宗はほかの宗派と考え方が異なります。
浄土真宗では「魂が宿る」や「魂を入れる」という概念がありません。
人が亡くなると阿弥陀如来によって極楽浄土に導かれるという教えなので、仏壇の魂抜きは行いません。
魂抜きの代わりに「遷仏法要」や「遷座法要」と呼ばれる法要を行います。
仏壇の仏様に感謝を伝え、移動していただくための儀式です。
浄土真宗では仏壇だけでなくご本尊や墓石、過去帳などを別の場所に移動させる場合に「遷仏法要」や「遷座法要」を行います。
「遷仏法要」や「遷座法要」は魂抜きと同じように、お寺から僧侶に来てもらい、仏壇の前でお経を読み上げてもらいます。
同じ仏教でも、宗派によって魂に対する考え方が違うのですね。
日蓮仏法の仏壇も魂抜きの必要がない
日蓮仏法の創価学会では「魂が宿る」という概念がないため、魂抜きの必要はありません。
仏壇は御本尊様を安置する場所であり、仏壇自体は信仰の対象となっていないからです。
ただ、創価学会の仏壇は粗大ゴミとして引き取ってもらえない自治体もあるようです。
創価学会の仏壇処分は創価学会専門仏壇の業者にお願いしましょう!
仏壇処分する時はお寺に魂抜きをお願いしよう!

仏壇処分をする時はお寺に魂抜きをお願いしましょう。
仏壇処分の魂抜きをお寺にお願いするには2つのパターンがあります。
1番良いのは先祖代々お世話になっている菩提寺に仏壇処分の相談をすることです。
菩提寺がない場合には、近くのお寺に相談するのがいいでしょう。
仏壇処分をお寺にお願いしたときの費用をあわせて紹介します。
【方法1】お墓のある菩提寺に依頼する
菩提寺とは自分の先祖代々のお墓があるお寺のことで、葬儀や法事のときに供養をお願いするお寺です。
先祖代々のお墓がお寺にある場合、菩提寺の住職にお願いするのが1番よいでしょう。
菩提寺にお願いする場合は、お布施として5,000円~30,000円が必要です。
費用はお寺によって様々なので、直接お寺に金額を聞くとよいですよ。

お布施の金額を聞くなんて!
直接費用を聞くのをためらう方もいると思いますが、決して失礼なことではないので、安心して聞いてみましょう。
むしろ相場より少ない金額を渡してしまうほうが失礼に当たってしまいますよ。
仏壇処分するときの魂抜きは、仏壇の設置してある自宅で行います。
自宅へ来てもらうための「御車代」は交通費のことですが、自分で送迎をする場合は必要ありません。

御車代の相場は5,000円程度です。
また会食のための「お膳料」を用意する場合もありますが、魂抜きの時は会食を設けないことが多いので、必要ないことの方が多いです。
【方法2】自分の宗派のお寺に依頼する
先祖代々のお墓がない場合でも、自分の家の宗派のお寺がありますよね。
檀家になっているお寺があれば、そのお寺(旦那寺)へお願いしましょう。
菩提寺や旦那寺が無い場合は、それ以外のお寺へも仏壇処分の相談をすることができます。
菩提寺以外のお寺へお願いする場合の費用の相場はだいたい1万円~3万円です。
大体の相場はありますが、やはりお寺に直接聞いたほうがよいでしょう。
菩提寺にお願いするのと同様に、自宅へ来てもらうための御車代も別途準備が必要です。
お寺によっては檀家さん以外の依頼は受けないところもあるので、その時はいくつかのお寺に相談してみましょう。
仏壇処分する時は位牌も魂抜きを!処分理由ごとに解説

仏壇処分を考えるときに、位牌をどうするのか一緒に考えなければなりません。
位牌には仏壇と同様に魂が宿っていると考えられており、基本的には処分しないものです。
また仏壇は仏具店などで買い換えが可能ですが、位牌はそうはいきません。
仏壇処分をなぜするのかによって、位牌の扱いが変わってきます。
仏壇処分時の位牌の取り扱い方法について解説していきましょう。
引越しや買い換えで仏壇を移動する時も魂抜きする
引越しや買い換えで位牌を移動させる場合には、位牌の魂抜きをしなければなりません。

なぜ位牌は移動のときに魂抜きや魂入れをしなければならないの?
仏教では魂の入ったまま移動させることは故人に失礼とされています。
魂抜きが必要な移動とはどんな場合か、具体的にまとめてみました。
- 引越し全般
- 同じ敷地内に建てた別の家屋へ移動する
- マンションなどの集合住宅で他の部屋へ引越す
- 高齢者施設などへ入居する時に持って行く
- 別の家族が引き継ぎ持ち帰る
家屋を移動する場合は魂抜きの供養が必要になります。
掃除のために仏壇から移動させたり、同じ家で仏壇を別の部屋に移動させたりするような場合は、魂抜きは不要です。
では位牌はどのような手順で移動させるのが良いのでしょうか?
- 移動前の位牌から魂抜きを行う
- 位牌を移動させる
- 移動して安置後の位牌に魂入れを行う
位牌の移動の前後に供養をお願いすることになります。
引越しで遠くに移動する場合は、魂抜きをお願いしたお寺に相談してみましょう。
引越し先の近くにあるお寺を紹介してもらえますよ。
世話をする人がいなくなった仏壇処分は位牌も魂抜きする
跡継ぎのいない仏壇を親族が面倒を見られず、処分しなければならない場合が増えてきています。
仏壇処分と一緒に位牌も処分することを考える場合は、すべて一緒に魂抜きを行ってもらいます。
魂抜きを行った位牌は、ただの板に戻ります。
生前にお付き合いのあった親族ならば、菩提寺や旦那寺が分かるかもしれませんが、付き合いがあまりない場合は、お寺を探すのも一苦労です。
私の周りにも子どもがおられない故人の場合に甥や姪、その子どもが片付けをせざるを得なくなった人がいます。
宗教や宗派も分からず、どのように処分したらいいのか大変困っておられました。
魂抜きをお願いできるお寺が分からないときは、仏壇処分の専門業者にお願いする方法があります。
相談は無料でできるので、分からないことも気軽に聞いてみるといいでしょう。
専門業者はプロなので、仏壇や位牌だけでなく、遺影や過去帳など一式を整理処分してもらうこともお願いできますよ。
まとめ
- 仏壇処分を魂抜きしないで行う場合は、仏具店や専門業者に依頼するか、自分でゴミとして処分する
- 自分自身で仏壇処分するのは最終手段にしよう
- 魂の入った仏壇を処分する場合は、魂抜きして処分しよう
- 仏壇の魂抜きは菩提寺や旦那寺など、お寺にお願いする
- 仏壇に奉ってある位牌は、移動させる時には魂抜きが必要
- 跡継ぎのいない仏壇を処分する場合は、位牌も一緒に魂抜きをする
仏壇処分するときの注意点や方法について説明してきました。
同じ家に大勢で住んでいた頃には、仏壇処分をする機会はあまり無かったでしょう。
家の建て直し、引越し等で、昔ながらの大きな仏壇を処分し、家に合ったお洒落な仏壇に買い換える人も増えてきています。
故人を大切に偲ぶ仏教の考え方を大切にしながら、時代にあった供養をしていきたいものですね。
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